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2025-07-27 09:03:00
2024年に米国より、気管支拡張症の原因遺伝子としてWFDC2遺伝子変異が報告されました。
複十字病院からは本邦で初のWFDC2遺伝子変異による気管支拡張症3例を報告しています。
WFDC2遺伝子変異による気管支拡張症は常染色体潜性遺伝性疾患です。
PCDと比較すると頻度は低いですが、幼少期からの副鼻腔炎を有する若年の気管支拡張症患者においては鑑別にあげる必要があります。
胸部CT写真ではCFと同様に上葉優位の気管支拡張を認めます。
このような画像所見を認めた際には、CFやWFDC2遺伝子変異による気管支拡張症を疑う必要があります。
鼻腔一酸化窒素もPCDと同様に低下することが知られています。
血中のWFDC2(HE4)は卵巣癌の腫瘍マーカーとして外注検査が可能です。
WFDC2遺伝子変異による気管支拡張症では、血中のWFDC2は低下するため、外注検査では測定感度以下になると予想されます。
肺移植を要する症例や死亡例が報告されておりますので、早期診断・早期介入が必要です。
疑わしい患者さんがいましたら、専門施設への紹介をご検討ください。