お知らせ
緑膿菌肺炎に対するCFPMとTAZ/PIPCの比較が、CIDから報告されています。
【背景】
- 緑膿菌肺炎では、cefepime(CFPM)とpiperacillin/tazobactam(PIPC/TAZ)はともに広く使用されているが、両者を直接比較したデータは限られている。
【方法】
- 単施設・後ろ向きコホート研究。
- Pseudomonas aeruginosa肺炎 204例を対象に、CFPM群87例、PIPC/TAZ群117例を比較。
- 主要評価項目は30日死亡率とDOOR(clinical failure、耐性化、AKI、再発などを統合した指標)。
【結果】
- 30日死亡率はCFPM群で有意に低かった(11.5% vs 23.1%、adjusted OR 2.38[PIPC/TAZ vs CFPM])。
- 一方で、clinical success、DOOR、再発、AKIなどその他のアウトカムには明確な差を認めなかった。
- 新規耐性化はPIPC/TAZ群で多い傾向(12.0% vs 5.7%)だったが、有意差はなかった。
【コメント】
CFPMの方が死亡率が低かった点は興味深い結果です。
著者は、その理由としてPK/PD、とくに肺胞上皮被覆液(ELF)への移行性の違いを挙げています。
PIPCでは肺内移行にばらつきが大きい一方、CFPMはより安定して肺内曝露を確保できる可能性があります。
COPDは98例、気管支拡張症は14例含まれていました。
緑膿菌の定着した気管支拡張症症例における抗菌薬選択の参考になるかもしれません。
なお、本論文のDiscussionには、inoculum effectについての記載はありませんでした。
【イベント概要】
名称: ラング・ウォーク2026「息いきお散歩ラリー」
開催期間: 10月1日(木)〜10月31日(土)
目的: 慢性呼吸器疾患の啓発・健康増進
ALISの初回治療に関するRCTの結果が報告されました。
●対象:新規診断例で抗菌薬治療を開始していない肺MAC症患者425例
注意:2cmより大きな空洞性病変を有する症例は除外。
■試験デザイン:国際多施設・二重盲検・無作為化比較試験。
- ALIS群:ALIS 590 mg+AZM 250 mg+EB 15 mg/kg
- 対照群:プラセボ吸入+AZM+EB
を12か月間投与。
●主要評価項目:治療終了1か月後(Month 13)の呼吸器症状スコア(RSS)の改善。
【結果】
・呼吸器症状:ALIS群で有意に改善。
Month 13のRSS変化量
ALIS群17.77点
対照群14.66点
群間差3.11点(P=0.0299)。
治療終了3か月後(Month 15)でも差は維持された。
・培養陰性化率:ALIS群で明らかに高かった。
- Month 6:87.8% vs 57.0%
- Month 12:84.7% vs 61.3%
- Month 13:82.4% vs 55.6%
- 治療終了3か月後まで陰性が持続したDCC:76.2% vs 47.6%
いずれもALIS群が有意に良好。
・安全性:ALIS群では嗄声、咳、呼吸困難などの吸入治療に関連する有害事象が多かった。
ALIS中止に至った有害事象は14.6%。
■コメント:
これまでALISは主に「難治性の肺MAC症」で使用されてきたが、本試験では初回治療からALISを導入することで、症状改善と培養陰性化の両方を改善する可能性が示された。

