お知らせ
肺NTM症の予後予測のスコアリングシステムとして、BACES scoreが有名です。
(BACES Score for Predicting Mortality in Nontuberculous Mycobacterial Pulmonary Disease - PubMed)
しかし、BACESの「E」に該当する「赤沈」が評価されていない症例を日常診療では経験します。
今回、赤沈の代用として「CRP≥0.3 mg/dL」の有用性(BACCS score)が、信州大学のグループから報告されていますので、紹介します。
●主要な結果
・全死亡に対する予測能(C-index):BACCS 0.79 vs BACES 0.78
・MAC関連死亡に対する予測能(C-index):BACCS 0.87 vs BACES 0.84
とBACES scoreとBACCS scoreで同程度の予測能を示しました。
本研究のコホートにおけるBACCS scoreおよびBACES scoreの点数別の5年死亡率は、以下のとおりです。
●BACCS score
・0点:0%
・1点:1.4%
・2点:11.1%
・3点:13.3%
・4点:35.7%
・5点:50.0%
●BACES score
・0点:0%
・1点:4.0%
・2点:8.2%
・3点:11.9%
・4点:42.9%
・5点:25.0%
赤沈を測定しておらずBACES scoreを算出できない肺MAC症の後ろ向き研究では、代替指標としてBACCS scoreの使用を検討できる可能性があります。
ただし、単施設での検討であり、今後は別の集団での検証が必要です。
肺MAC症に対して、診断後早期に治療を開始する「Immediate treatment」と、経過をみながら治療開始を判断する「Watchful waiting」を比較した研究が、Infectious Diseases and Therapyから報告されました。
2003~2021年に診断された未治療の肺MAC症592例を対象とした、韓国の単施設・後ろ向き研究です。
診断後2か月以内に治療を開始した102例をImmediate treatment群、未治療または診断から2か月を超えて治療を開始した490例をWatchful waiting群とし、傾向スコアマッチング後の102組、計204例が比較されました。
■主な結果
・培養陰性化までの時間:Immediate treatment群で有意に短縮(HR 3.07、95% CI 1.68–5.61)
・培養陰性化率:45.1% vs 26.5%
・培養陰性化までの期間中央値:3.27か月 vs 9.23か月
・有害事象:64.7% vs 41.2%
・全死亡:HR 0.92(有意差なし)
・呼吸器・感染関連死亡:HR 0.47(有意差なし)
一方、中等症~重症に相当するBACES score ≥2の患者では、Immediate treatmentが、
・全死亡:HR 0.53(95% CI 0.30–0.96)
・呼吸器・感染関連死亡:HR 0.35(95% CI 0.14–0.90)
と、死亡ハザードの有意な低下と関連していました。
これまで通り第3金曜日(9月18日)の18時~開催いたします。
今回は、先日製造販売承認がおりましたBrensocatib(ブリヌスプリ®)の使い方について、議論できたらと思います。
既に、添付文書やインタビューフォームが公開されています。
ブリヌスプリ - インスメッド合同会社医療従事者向け情報 Insmed navi
その他、外科的肺切除術の適応や症例相談、話題などのある方は、是非お願いいたします。
9月24日~30日は
非結核性抗酸菌症 啓発週間
です。
PDFを学会からダウンロードできるようですので、
是非各施設の外来などにご掲示ください。
ポスターは学会HP(https://www.kekkaku.gr.jp)よりダウンロード可能です。
肺M. abscessus症に対するOmadacycline 300 mg/日、84日間の単剤療法を、プラセボと比較したランダム化二重盲検第2相試験の結果がCIDから報告されています。
66例が登録され、Omadacycline 41例、Placebo 25例に割り付けられました。
■主な結果
・症状改善:34.1% vs 20.0%
・より厳格な症状改善基準:34.1% vs 12.0%
・3回連続喀痰培養陰性化:31.3% vs 8.7%
・2回連続培養陰性:41.7% vs 13.0%
・Day 84で培養陰性:53.8% vs 25.0%
■まとめ
Omadacycline単剤にもかかわらず、症状・菌量・培養陰性化のいずれもプラセボより良好な傾向を示しました。
一方で、空洞病変や重症例は除外されており、治療期間も3か月のみですので、今後のさらなる検討が必要です。
Omadacyclineは肺M. abscessus症における新規経口治療薬として、注目されています。

