お知らせ
次回開催日は
2025年10月17日(金)18 時~
になります。
今回は明治薬科大学の渡辺史也先生に、クロファジミンについてお話していただきます。
その他、症例相談や話題のある方はお気軽にご提示ください。
ZoomのURLはメールでお送りします。
参加希望でメールが届いていない方は、お問い合わせから会員登録をお願いします。
先日、Journal of Infection and Chemotherapyから渡辺先生のクロファジミンのreviewがpublishされましたので、クロファジミンを使用する機会のある先生方は是非ご一読ください。
ERS2025がオランダで開催されております。
それにあわせて、気管支拡張症のERSガイドラインが発出されました。
さらに、ERSとATS合同のPCDの診断ガイドラインも発出されております。
緑膿菌は気管支拡張症の代表的な予後不良因子であることが知られております。
インフルエンザ桿菌も気管支拡張症において高頻度で検出される代表的な菌種ですが、増悪や死亡に与える影響については明らかにされていません。
インフルエンザ桿菌と気管支拡張症に関するReviewが先日Publishされましたので、まとめてみました。
Haemophilus influenzae in bronchiectasis - PubMed
■インフルエンザ桿菌とは
・グラム陰性桿菌(小型で球菌様にも見える)
・19世紀後半に初めて報告.
・当初は, インフルエンザウイルス感染の原因菌と考えられていた.
→のちに, インフルエンザウイルスが同定され, 二次感染であることが判明した.
・ Haemo:血液, philic:好む, 血液成分:X因子, V因子が発育に必要
・莢膜型と無莢膜型(NTHi)に分類.
(NTHi=Nontypeable H. influenzae)
・莢膜型はa-fの血清型に分類される.
・b型(Hib)は組織侵襲性が高く, 重症である.
*気管支拡張症において問題となるのは, NTHi
■インフルエンザ桿菌の病原性
・Fimbriae, Adhesins:接着因子. 気道への定着.
・Lipooligosaccharide:LPSのO-抗原多糖が欠損. 強い炎症誘発作用.
・IgAプロテアーゼ:IgA不活化. LAMP(リソソーム関連膜タンパク質)の切断.
・クオラムセンシング
・バイオフィルム形成
■インフルエンザ桿菌が気管支拡張症に与える影響
・若年やearly stageに比較的多い菌
・緑膿菌とは排他的に存在
・入院率や死亡率には影響しないと考えられている.
・肺機能やQOLへの影響も明らかでない.
・軽症増悪のリスク因子にはなるかもしれない.
・除菌治療の有効性については明らかでない.
気管支拡張症において、世界で現在進行中の治験について、まとめてみました。
各試験の詳細は、ClinicalTrials.govをご確認ください。
・BI1291583:DPP-1阻害薬、経口薬、phaseⅢ、NCT06872892
・HSK31858:DPP-1阻害薬、経口薬、phaseⅢ、NCT06660992
・RSS0343:DPP-1阻害薬、経口薬、phaseⅡ、NCT06775340
・XH-S004:DPP-1阻害薬、経口薬、phaseⅡ、NCT06981091
・Itepekimab:抗IL-33抗体、注射薬、phaseⅡ、NCT06280391
・Ensifentrine:PDE3, 4阻害薬、吸入薬、phaseⅡ、NCT06559150
・CSL787:免疫グロブリン、吸入薬、phaseⅡ、NCT07048262
・AZD0292:緑膿菌に対するモノクローナル抗体、注射薬、phaseⅡ、NCT07088926
・CHF6333:好中球エラスターゼ阻害薬、吸入薬、phaseⅠ/Ⅱ、NCT06166056
・RESP30X:NO、吸入薬、phaseⅠ/Ⅱ、NCT06663176
Brensocatibに続いて、多数のDPP-1阻害薬の治験が走っているようです。

