お知らせ

2025-12-27 12:11:00

気管支拡張症を診療していると, 喀痰培養検査でExophialaが検出されることがありますが、その病的意義や治療方針については明らかにされていません.

 

今回は, 愛知医科大学からのRespiratory investigationの論文を紹介します.

 

Clinical characteristics of pulmonary infections caused by Exophialadermatitidis - PubMed

 

2023年には長崎大学からも, Exophialaの報告がされております.

 

Pulmonary phaeohyphomycosis due to Exophiala dermatitidis in a patient with pulmonary non-tuberculous mycobacterial infection - PubMed

 

喀痰からE. dermatitidisが検出された13例が解析されております.

 

▶検体の種類

・気管支鏡検査:7

  6例:吸引痰, 1例:BAL

・喀痰:6

・穿刺液:1

 

▶背景疾患

・気管支拡張症:6

COOD4

NTM3

LK2

ILD2

・喘息:2

 

▶並存疾患(非呼吸器疾患)

DM4

・免疫抑制薬の使用:3

・化学療法(悪性腫瘍):2

 

▶画像所見

・気管支拡張:9

・浸潤影:9

・粘液栓:8

 

 

Definite infection6例(46.2%

 

Definiteの定義(以下のいずれか)

(1) 気管支鏡検体から E. dermatitidis が分離され、他の病原体は検出されない症例

(2) 抗真菌薬治療が有効である症例

(3) 抗真菌薬治療を行わなかった場合に肺病変が悪化した症例

 

●β-Dグルカン陽性率:2/10例(20%

 

●治療

6例:ITRZ

 ⇒3例:改善, 1例:不変, 2例:悪化

 

MIC結果(3例)

ITRZ0.060.5 μg/mL

VRCZ0.1250.25 μg/mL

MCFG8>16 μg/mL

CPFG16>16 μg/mL

AMBH-B0.1250.5 μg/mL

5-FC2~4μg/mL

FLCZ1632 μg/mL

 

 

【コメント】

気管支拡張症ではExophiala感染症が悪さをすることもありますので, 抗酸菌培養だけではなく, 真菌含めた一般細菌培養検査も重要になってきます.

 

 

治療の必要性については明確な指針はございませんが, Treatable traits1つとして, 治療の検討が必要となる症例もいるかもしれません.

2025-12-25 09:49:00

 

エリスロマイシンの供給不足が続いており、12月22日に日本結核・非結核性抗酸菌症学会より、見解が出ております。

 

12f8a3bd813ceeb0ed63a054b26ce9c9.pdf

 

そちらに記載されている、具体的な対応は以下の通りです。

 

<具体的な対応>

① EM投与前の患者

症状が軽微で増悪歴がなければ、マクロライドは投与しない。

 

 

② EM療法中の患者

投与前から症状が軽微であれば中止を検討する。

 

 

③ EM療法中の患者で、EMが有効で中止が難しい症例

喀痰検査でNTM(特にMACやマクロライド感受性 M. abscessus)が繰り返し(3回以上)培 養陰性であればCAMへスイッチする。

NTM症の既往がある場合には慎重に判断する(キャピリアMAC も参考となるが明確な基準はない)。

 

④ NTM症でマクロライド療法(EM療法)開始前の患者

軽症(症状が軽微、空洞のない軽症のNB所見、塗抹陰性)であれば、EMを使わずに watchful waiting を行う。

 

⑤ NTM症患者でEM投与中の患者

症状が軽微だが進展抑制目的に開始していた場合には、EMを中止する(適切なタイミングで 標準治療を導入する)。

 

⑥ NTM症患者でEM投与中だが症状がある症例

理学療法を行い、NTM症が原因であれば治療適応の可能性が高い(治療開始を総合判断す る )

 

2025-12-18 15:54:00

ERJ openの論文です。

How bronchoscopy can impact bronchiectasis management: a prospective, observational study | European Respiratory Society

 

イタリアのStefanoのグループからの単施設の報告になります。

 

 

20217月から202412月の期間にIRCCS Humanitas Research Hospitalで登録された気管支拡張症574例のうち、139例(24.2%)で気管支鏡検査が行われていました。

 

この研究対象患者では、全例気管支洗浄が行われていたようです。

 

気管支鏡検査を行った所、58.3%で菌が検出され、菌種の内訳は以下の通りでした。

 

H. influenzae15.8%

P. aeruginosa15.1%

MAC11.6%

S. aureus6.5%

A. fumigatus4.3%

 

特に、喀痰が得られない、あるいは培養陰性が続く症例でも、菌の陽性率は60%以上と高率でした。

 

さらに、この結果、51.1%で治療の方針に変更があったようです

 

気管支拡張症の患者さんに気管支洗浄を行う際には、検査後の増悪が懸念されますが、今回の研究では検査後の増悪に関する記載はありませんでした。

 

 

実臨床では、菌が未検出でも増悪を繰り返す症例や、胸部CT所見が悪化していく気管支拡張症を経験するかと思います。

 

そのような症例では、気管支鏡検査の検討が必要かもしれません。

 

2025-12-10 19:21:00

次回は

 

1219日(金)18:00

を予定しています。

 

今回は、「アミカシンのTDMについて」というテーマで、明治薬科大学の渡辺先生に再度ご登壇いただきます。

 

M. abscessusも増えてきており、入院でアミカシンを使用する機会も増えていることかと思います。

 

渡辺先生は複十字病院と共同でアミカシンのTDMに関する研究を行っており、現在論文もsubmitされております。

そちらの結果についても、ご紹介してくださるかと思います。

 

お気軽にご参加ください。

 

 

その他、症例相談や話題等がありましたら、お気軽にご提示ください。

 

 

第8回 gunma_ntm_salon.jpg

2025-12-09 10:11:00

 

難病情報センターから、「特定医療費(指定難病)受給者証 所持者数」の情報が公開されています。

 

特定医療費(指定難病)受給者証所持者数 – 難病情報センター

 

令和6年度末の時点では、群馬県では3の患者さんが、線毛機能不全症候群の指定難病に登録されておりました。

 

線毛機能不全症候群は令和64月に指定難病に登録されました。

 

同年6月には、外注の遺伝子検査が保険適用となっています。

 

まだまだ線毛機能不全症候群の患者さんは、県内に多数いらっしゃるかと思います。

外注の遺伝子検査で診断がつかない場合には、専門施設へご紹介ください。

 

全国では74例の方が登録されております。

 

▶各県の登録人数

東京:18

埼玉:6

長崎:6

神奈川:5

石川:4

福岡:4

群馬:3

千葉:3

北海道:3

岡山:3

兵庫:3

広島:2

宮城:2

新潟:1

富山:1

三重:1

京都:1

大阪:1

和歌山:1

奈良:1

徳島:1

熊本:1

大分:1

鹿児島:1

沖縄:1

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