お知らせ

2026-02-17 11:44:00

 

日本の研究グループから、CHEST誌に重要なシステマティックレビューが報告されました。

 

 

Efficacy of Anti-Inflammatory Therapies for Adults with Non-Cystic Fibrosis Bronchiectasis: A Systematic Review and Network Meta-Analysis - PubMed

 

 

気管支拡張症では好中球性炎症が病態の中心と考えられており、近年はDPP-1阻害薬をはじめとする抗炎症薬の開発が進んでいます。

 

 

また、マクロライド長期療法は免疫調節作用を有し、気管支拡張症増悪を予防することが知られております。

 

 

その他にも、CXCR2阻害薬、PDE4阻害薬、スタチンなどの様々な抗炎症薬のRCTが実施されてきました。

 

 

本論文は、これら抗炎症療法に関するRCTを網羅したシステマティックレビューであり、さらにNetwork meta-analysisによる比較解析も行われています。

 

 

臨床上示唆に富む重要な結果が報告されています。

 

 

■対象となった抗炎症薬

・DPP-1阻害薬

・マクロライド

・PDE4阻害薬

・CXCR2阻害薬

・スタチン

・ICS

・ICS/LABA

 

 

■結果

●対象

・31の試験

・4,092例

 

 

●増悪

・マクロライド:

  RR:0.44(0.35-0.56)

・DPP-1阻害薬:

  RR:0.73(0.60-0.88)

 

 

●重症増悪

・DPP-1阻害薬  

  RR:0.70(0.54-0.89)

 

 

●マクロライドの有無によるDPP-1阻害薬の増悪予防効果

・マクロライドあり:

  RR:0.77(0.60-0.99)

・マクロライドなし:

  RR:0.77(0.67-0.89)

 

 

●マクロライド間での増悪予防効果の比較

・アジスロマイシン:

  RR:0.37(0.29-0.48)

・エリスロマイシン:

  RR:0.56(0.42-0.76)

・ロキシスロマイシン:

  RR:0.69(0.32-1.48)

 

 

【コメント】

マクロライド使用下でもDPP-1阻害薬の有効性が示されており、重要な報告かと思います。

 

また、マクロライドの中ではアジスロマイシンの有効性が高いという結果が示されました。

 

しかし、本邦では保険適応上の問題やNTM耐性化リスクなどの観点から、アジスロマイシン単剤の長期投与は実施しにくい状況にあります。

2026-02-06 23:14:00

 

次回の開催日は

 

2026年2月20日(金) 18時~

 

になります。

 

今回は渋川医療センターの主任栄養士さんより、「慢性呼吸器疾患における栄養管理と実践」というテーマでお話していただきます。

 

肺非結核性抗酸菌症や気管支拡張症の方は、やせ型の方が多く、低BMIが予後不良因子として知られています。

 

中々体重が増えない患者さんにどのようにアプローチすべきか、学んでいきたいと思います。

 

その他、相談や話題のある方がいましたら、是非お願いします。

 

第10回_HP用.jpg

2026-02-06 23:09:00

 

Respiratory Investigationで、Brensocatibの第Ⅲ相試験(ASPEN trial)の日本人データが報告されています。

 

Efficacy and safety of brensocatib in Japanese patients with non-cystic fibrosis bronchiectasis: Analysis of the ASPEN trial - PubMed

 

筆頭著者は複十字病院の森本耕三先生です。

 

ASPEN studyには、日本人が87例登録されていました。

(10 mg:30例、25 mg:28例、プラセボ:29例)

 

本試験では、12か月間に2回以上増悪歴のある症例が組み入れられています。

 

日本人においても下記の項目において、有効性が示されています。

 

●年間増悪回数の減少

  10 mg:RR 0.37 (95 % CI, 0.16–0.87)

  25 mg:RR 0.32 (95 % CI, 0.14–0.75)

 

●初回増悪までの期間延長

  10 mg:HR 0.46 (95 % CI, 0.19–1.12)

  25 mg:HR 0.48 (95 % CI, 0.20–1.17)

 

●重症増悪の回数の減少

  10 mg:RR 0.11 (95 % CI, 0.01–1.04)

  25 mg:RR 0.30 (95 % CI, 0.06–1.62)

 

呼吸機能(FEVおよびFVCの変化量)やQOL(QOL-B RSSスコアやBEST symptom diary score)においても、特に25 mg群では良好な結果が得られています。

 

安全性については、プラセボと差はありませんでした。

 

本試験に登録された日本人集団は、その他の国の集団と比較して、以下のような特徴があげられています。

 

■COPDの既往が少ない

 

■NTMの既往が多い

 

■ICSの使用率が低い

 

■マクロライドの使用率が高い

 

■%FEV1の平均値が高い

 

■3回以上の増悪歴を有する患者が多い

 

 

このような日本人特有の背景があっても、Brensocatibの有効性が得られていたという貴重なデータになります。

 

 

Brensocatibは2025年8月にFDAで承認され、同年11月には欧州でも承認されています。

 

今後、本邦でも承認が予想されています。

2026-01-27 09:11:00

 

ALISの初回治療の前向き試験(ARISE試験)のデータが発表されました。

 

Amikacin Liposome Inhalation Suspension in Newly Diagnosed Mycobacterium avium Complex Lung Disease (ARISE): A 6-Month Double-Blind, Active Comparator Trial | Annals of the American Thoracic Society | Oxford Academic

 

 

■対象患者

・MAC-LD

・成人

・non-cavitary

・新規診断例もしくは再発例

 

 

■デザイン

・ALIS+AZM+EB

と

・AZM+EB

に1:1に割付

 

6カ月間投与し, 1か月間治療中止.

 

 

■主要評価項目

・QOL-B Respiratory Domain

・PROMIS F SF-7a

 

 

■結果

・合計:99例

(48例:ALIS群, 51例:comparator群)

 

●Culture conversion(M6)

・ALIS群:80.6%

・comparator群:63.9%

 

●Culture conversion(M7)

・ALIS群:78.8%

・comparator群:47.1%

 

●Culture conversion(M1)

・ALIS群:74.3%

・comparator群:46.7%

 

●QOL-B RD (呼吸ドメイン)

ALIS群、comparator群ともに改善.

しかし, comparator群では3か月目からプラトーになり, 治療終了後に低下.

ALIS群では, Culture conversionとQOL-B RDに正の相関あり.

 

●PROMIS F SF-7a

ALIS群, comparator群ともに治療により改善.

明らかな群間差はなし.

 

 

今回はPROの評価が主体ですので, 今後のENCORE試験の結果が待たれます.

 

2026-01-20 10:16:00

 

複十字病院の大野先生(理学療法士さん)の論文です.

 

 

大野先生には以前, Gunma NTM Salonでもご講演をしていただきました.

 

 

複十字病院でHOT導入された気管支拡張症の患者93例を対象とした, 単施設の後ろ向き研究になります.

 

 

Prognosis of patients with bronchiectasis receiving long-term oxygen therapy - Respiratory Medicine

 

 

HOT導入後の生存期間中央値は, 664日でした.

 

これは, COPDの1008日よりも優位に短く, 間質性肺炎の669日と同等の結果でした.

 

また, HOT導入時点でNTMの感染がある症例の生存期間中央値は405日であり, NTM感染のない気管支拡張症と比較して有意に短いという結果でした.

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